こんにちは、スマホで星をもっと身近に。十和田櫂です。
星空をみあげる、といっても何を探そうかな～とふと思うことがあると思います。
全天には88の星座が設定されています。こちらのカテゴリでは目指せ88星座！としてご紹介していきます。
今回はわし座。
わし座はアルタイルをはじめとする夏の代表的な星座。わし座の神話や見つけ方をご紹介します。
「あの星なぁに？」
かっこよく解説できるようになりますよ～
目次
わし座の基礎知識
わし座は夏の夜の代表格。8月には南側の天頂付近をみあげると夏の大三角形の一角としてアルタイルが美しく輝いています。
Stella Navigator11(Astro Arts)にて作成。9月8日20：00星座早見。おおよそ天頂付近に見えていますね。
わし座の基礎情報
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- 和名 わし
- 学名 Aquila （略符 Aql)
- 概略位置 赤経 19h30m 赤緯＋2度
- 面積 652平方度
- 20時正中 9月8日ごろ （一番みやすい時期とお考えください）
- 南中高度 約56度
- 主な星
α星 アルタイル
β星 アルシャイン
γ星 タラセド
1等星1個、3等星5個、4等星7個、5等星27個、6等星70個
比較的見えにくい星で構成されているので、市街地で全体像をみるのは難しそうです。
Stella Navigator11(Astro Arts)にて作成。9月8日20：00のわし座
アルタイルー飛ぶ鷲
アラビア語のアン＝ナスル・アッ＝ターイルー飛ぶ鷲、が語源となっています。
視等級 0.7～0.8等であり、とても明るく見えやすい星です。
こと座ベガ、はくちょう座デネブとあわせて夏の大三角形を形成しています。
日本では彦星・牽牛として七夕伝説の主役のひとりですね。
神話、伝説
ギリシャ神話その①～ゼウスの化身
ある日
ゼウスは、ひとりの美少年をみつけます。
その美少年はトロイアという王国の王子ガニメデくん。絶世の美少年と言われたほどの美少年。
ゼウス、もう我慢ができません。
ガニメデくん、ある日、山で羊の世話をしていたところでした。
そこにワシに身を変えてゼウスは一気にグワシっとガニメデくんをかっさらいます。
（ゼウス、それでも大神なの！？）
オリンポス山（神々の国）に連れてこられたガニメデくんは永遠の若さと美しさを与えられ、その後は神々へ給仕をしたりして楽しく過ごしたそうです。
ガニメデくんはその功績（！？）が認められ、現在はみずがめ座となっています。
めでたし、なのか？
ギリシャ神話その②～ゼウスの秘書！？
聖獣であるワシをゼウスは大切にしていました。下界の様子をレポートさせたり、ゼウスの雷の矢を運ばせたり。絶大な信頼を寄せていました。
ところで、ある日神々のひとりプロメテウスさんが下界を見下ろすと何とも冬の空の下、寒そうな人間たちをみつけます。
プロメテウスさんは人間に火を届けてあげました。
ところが！火を与えたらアカンやろう、と常々人間に火を与えることに反対していたゼウスはプロメテウスを捕らえ、コーカサス山頂に磔にして鎖で縛りあげます。
そして、ワシの登場。ゼウスのワシはプロメテウスを毎日ついばみます。プロメテウスは不死なので少しすると元に戻ります。
これをなんと！3万年もくりかえしたというから驚きですね・・・
それを見かねたヘルクレスさんが矢を放ち、ワシに大けがを与えました。
ゼウスはワシの傷をいやすと星座にしてあげました。
めでたしめでたし。
Stella Navigator11(Astro Arts)にて作成。ワシ座の近くにある矢座がヘルクレスの放った矢であるといわれています。
中国故事 「鼓舞」する
アルタイルと両脇の二つ星。この３つの星の並びを太鼓の形とみました。「河鼓三星」ー河は天の川。天の川にある太鼓ということですね。
古代中国では肩に担いで打ち鳴らすことのできる細長い鼓を使っていました。大きな太鼓の音を鳴らし、味方軍勢の士気を高め、敵を動揺させるようなもので
その様子を「鼓舞」と言うようになったそうです。
ちなみにα星アルタイルは大将軍。二つの星は左将軍、右将軍。なんだか簡単すぎ？！
水戸黄門に助さん、格さんのような関係でしょうか！中国の星のお話はおいおい調べたいなーと思っています。
Stella Navigator11(Astro Arts)にて作成。
ベガ（こと座）との関係
その①飛ぶ鷲・落ちる鷲
アルタイルは飛ぶ鷲。 こと座のベガは落ちる鷲。という対になっている関係です。
アル・ナスライン＝二羽の鷲と呼んでいます。
アルタイルのわし座ははばたく様な形をしていますね。ベガはV字の滑空する鷲にみたてられれていますね。
Stella Navigator11(Astro Arts)にて作成
その②牽牛・織女
有名な七夕伝説の主役の一人ですね。
牽牛の彦星さんと機織りの上手な織姫さん。お二人はなんとか天帝の許しをうけて結婚しますが、仲が良すぎで仕事が手につきません。
怒った天帝さんが二人を引き離します。
そうすると今度はさみしくてさみしくて仕事が手につきません。
もう、どうにもこうにも・・・
一年に一度、カササギさん（はくちょう座のデネブ）のご案内で天の川を渡って会えるようになったとか。
この時に雨が降ると会えなくなってしまうので、この七夕の日の雨を「催涙雨」と呼びます。
2020年7月7日は関東では催涙雨でしたね。8月25日旧暦七夕はよく晴れました。よかったですね！
七夕伝説については↓記事もご覧ください～
その③天女のパートナーの若者
ある日
天女が下界で水浴びをしていました。
そこへ若者がとおりかかり、こっそり天女の羽衣を持ってかえってしまいました。
さあ困った、天女さん。羽衣がなければ天に帰れません。というかどこに行こうにも困る・・・
件の若者、もどってきて天女を家に連れ帰ります。
若者は羽衣を隠しておいて、天女さんと結婚、お子さんももうけます。
ある日。天女さんは天の羽衣を発見。ついに天界へ戻ってしまいます。
別れ際、天女さんは告げます。草鞋を千足つくって竹の根本に埋めなさい。そしたらまた会える・・・
もちろん若者は寝る間も惜しんで草鞋を作り続けます。
そしてついに千足くらい（ここポイント）作ったとおもい、竹の根元に埋めます。
すると竹がずんずん伸びで天にまで届くようになります。
若者はいそいそと竹をのぼりますが、実は草鞋は999足しかありませんでした(´；ω；`)ｳｩｩ
もうちょっとで手が届くのに。
若者は泣き叫びます。天女も必死に手を伸ばすとついに二人はがっちりと手をとりあい、天界に。
面白くないのは天女のお父さん・天帝。そう。娘をかどわかした不埒ものですからね。
とは言え愛娘に弱いのは父親の常。
天帝は若者に試練を与えます。
瓜の畑の世話をしなさい、でもぜーたいに瓜を食べてはいけない。
若者は瓜畑で働きますが、暑い。のどが渇く。そこに瓜がある。食べたらアカンと言われている。のどが渇く。
瓜がある。無限ループです。
ついに。若者は一つくらいなら。と瓜を食べようと切った瞬間。
大水があふれ出し、大河が二人を引き裂いてしまいました。この大河が天の川。
二人があえるのが7月7日になりました。
わし座の見つけ方
見つけ方～夜空をみあげよう～
8月、9月はわし座のもっとも探しやすい季節です。
南の空に輝く赤い星がアルタイルです。そのわきに二つ星が輝いています。
こちらがわし座の骨格。ただし、1等星はアルタイルだけなので、わきの二つ星は都会でみるのは難しいかもしれません。
でも大丈夫。
スマホアプリが星座の場所を教えてくれます。
Sky View 宇宙を探索
スマホを夜空に向けると星座や天体などが表示される優れものです。AR機能をつかえば、現在の場所を背景として星々が見えますよ～
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88星座図鑑
星座の見つけ方だけでなく、星座の物語や天体情報もあり。有料版にすると星座をナビゲーションしてれます。
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無料で使える範囲で十分楽しめます。
都会の空では肉眼ではなかなか星はみえませんが、ほんとうは星々はいつも僕らに輝いています。
そんな宇宙に思いを馳せてみてはいかがでしょうか？
スマホで撮影～こんな風にみえます。
都市部では見えやすい星しかみえませんので、逆に星を探しやすいと思います。
肉眼では小さな星々がみえなくてもスマホで撮影すると・・・結構最近のスマホではよく撮れますよ～
わし座と矢座
2020年8月11日 22:40ごろの空です。自宅のベランダから天頂方面へ向けてパシャリ
Xperia1iiで撮影
ISO100
f/1.7
シャッター30秒
アルーナスライン
2020年8月25日 21:10ごろの空です。自宅のベランダから天頂方面へ向けてパシャリ
Xperia1iiで撮影
ISO200
f/1.7
シャッター15秒
夏の大三角形、七夕
2020年8月25日 21:10ごろの空です。自宅のベランダから天頂方面へ向けてパシャリ
Xperia1iiで撮影
ISO200
f/1.7
シャッター15秒
まとめ
いかがだったでしょうか？
わし座、アルタイル、さまざまな神話や伝説がありました。洋の東西を問わず、人間はずっと星を見上げてきたということですよね。
そして強く輝く星々に思いをのせて素敵なストーリーを作っていたなんて、すごい！
みなさんもふとした帰り道、眠り損ねた真夜中、ちょっと早起きした夜明け前、空を見上げてみませんか？
このカテゴリーではこのような星座のあれこれをまとめていきます。
目指せ全天88星座！
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